院長ブログ

2022年03月30日 インプラント周囲炎はインプラントの歯周病|インプラントが歯周病になる原因と治療方法を解説

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラントを入れた後は、丁寧なセルフケアとプロによる定期的なメンテナンスを行わないと、インプラント周囲炎になる可能性があります。インプラント周囲炎を初めて耳にした方も多いはず。そこで、インプラント周囲炎の原因と治療方法について解説します。

インプラントも歯周病になる

インプラントはむし歯にはなりませんが、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病になる可能性があります。

インプラントのメンテナンスを怠ると、インプラントの周囲に歯垢が溜まり、歯垢に潜在している細菌に感染します。細菌に感染すると歯肉に炎症起こし、インプラント周囲粘膜炎になります。

さらに細菌感染が顎の骨まで広がると、インプラント周囲炎になり、インプラントを支えている骨が減少します。

インプラントが歯周病になる原因は歯垢

歯垢に潜在してる細菌や、過度な力の負担でインプラントと骨の付着が破壊され、出血、排膿が生じ、進行するとインプラントの揺れや、脱落を引き起こします。インプラントが歯周病になる原因は以下の3つです。

メンテナンスを怠ってしまった

メンテナンスを怠り、歯垢が溜まったまま放置すると、細菌に感染し、インプラントが歯周病になるインプラント周囲炎の可能性が高くなります。

インプラントはむし歯にはなりませんが、天然の歯と同じように歯周病になります。インプラントは入れた後のメンテナンスは重要です。

インプラントに過度な力がかかってしまった

歯ぎしりや食いしばりなど、インプラントに過度な力が加わると、骨とインプラントの付着が壊れてしまいます。付着が壊れるとインプラントの歯周病が発症しやすくなります。

歯ぎしりや食いしばりをしている方は、インプラントにかかる力を緩和する、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着するなど、予防が必要です。

歯周病の治療をせずインプラントを入れた

インプラント周囲炎と歯周病の原因菌は類似しています。歯周病に罹患しているのにもかかわらず、治療せずにインプラントを入れてしまうと、インプラント周囲炎の原因となります。

歯周病に罹患している場合は、歯周病の治療を行ってからインプラント治療を行い、インプラントを入れた後も、継続して歯周病治療を行うことが非常に大切です。

治療方法は細菌の除去

治療方法は、大きく2つの治療に分けられます。重症状で回復が見込めない場合はインプラントの除去を行います。

噛み合わせの調整

歯ぎしりや食いしばりなど、噛み合わせが問題の場合、ナイトガードの作製や、人工歯の噛み合わせの調整が行われます。

細菌の除去

インプラント周囲炎の原因は細菌感染によって起こります。治療は細菌を除去し症状の緩和を図ります。重症度によって治療方法は異なります。

機械的清掃

症状が初期の場合、インプラントの周囲の歯垢や歯石を除去します。

殺菌療法

中等度の場合、インプラントと歯肉の間に薬剤を入れて洗浄します。機械的清掃と併用されることが多いです。

抗菌療法

抗生物質をインプラントと歯肉の間に挿入、または抗生物質を投与します。

外科的処置

進行が進んでしまった場合、切除療法や再生療法を行います。

インプラントの歯周病を予防しよう

インプラント周囲炎の予防は、歯垢を溜めないことです。日頃の丁寧な歯磨きが、非常に大切です。

歯ブラシの他に、フロスや歯間ブラシなど、お口の状態にあった清掃道具を選びます。インプラントを入れたら、改めて歯科医師、歯科衛生士のブラッシング指導を受けることをおすすめします。

また、歯科医院で定期的なメンテナンスも非常に大切です。レントゲンや噛み合わせの確認をし、状態にあった処置を受けることができます。

まとめ

「インプラントを入れたから、むし歯、歯周病にならないから安心。」と思われていた方も多いはず。インプラントはむし歯にはなりませんが、溜まった歯垢から細菌感染を引き起こし、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病になる可能性があります。

歯磨きやメンテナンスを怠ってしまうと、インプラント周囲炎になる可能性が高くなります。予防のためには、日頃の歯磨きと定期的なメンテナンスが非常に大切です。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2022年03月11日 インプラントを長持ちさせるためにもメンテナンスは受けよう

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラントは自分の歯のように噛めるため選ばれる治療方法でもあります。しかし、インプラントにはメンテナンスは欠かせないもので、怠ってしまうと炎症を起こしたり、脱落したりといったトラブルが発生するもあります。今回はインプラントのメンテナンスについて解説します。

メンテナンスの重要性

インプラント治療が終わった後は、セルフケアと定期的にメンテナンスを行う必要があり、これらを怠ってしまうと「インプラント周囲粘膜炎」や「インプラント周囲炎」になる可能性が高くなります。前者はインプラント周囲の粘膜に炎症が起きた状態で、腫れや出血を伴い、後者はインプラント周囲粘膜炎が進行し、骨にまで感染が広がった状態のことを指します。腫れ・出血・排膿を伴うことが多く、最悪の場合脱落につながります。どちらも「歯垢」が溜まってしまい細菌が繁殖することが原因です。そのためセルフケアと定期的なメンテナンスは必要不可欠と言えるでしょう。

メンテナンス

歯科医院で行うメンテナンスでは以下のような内容が挙げられます。

・レントゲン撮影
・インプラント周囲の粘膜に炎症がないか
・歯周ポケットの深さを測る
・インプラントが揺れていないか
・かみ合わせの確認
・お口全体のクリーニング

メンテナンスではインプラントを埋入した歯科医院で受けることが望ましいです。他の歯科医院ではインプラントを行なっていなかったり、インプラントのメーカーが異なったりするとトラブルが発生しても対応できないといったことがあります。また、他の歯科医院で埋入したインプラントは別途で費用がかかることも。なお、費用は保険適用で行える歯科医院もあれば、自費診療で行う歯科医院もあるため、事前に確認しておきましょう。

定期的なメンテナンスは症状にもよりますが、3~6カ月に1回の間隔で行うことが多いです。

セルフケア

インプラントのメンテナンスはご自身で行うセルフケアも重要です。インプラントを埋入したあとは歯科医師または歯科衛生士から歯磨き指導を行い、正しい磨き方ができるようにするところが多いです。特にインプラントでは歯と歯ぐきの間に汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスといった道具を使用して磨く必要があります。

まとめ

インプラントの周囲に汚れが溜まってしまうとインプラント周囲炎などのトラブルが発生する可能性があります。ご自身でしっかり磨いていても磨けていなかったということは少なくありません。長く持たせるためにも定期的なメンテナンスとセルフケアをしっかり行っていきましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2022年02月25日 インプラントは虫歯になる?メンテナンスを怠るリスクを解説

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

歯を失ったときの選択肢の一つにインプラント治療が挙げられます。これは顎の骨にインプラント体と呼ばれるものを埋め込み、その上に被せ物をする治療方法です。インプラント治療後はメンテナンスを受け良い状態をキープします。しかし、このメンテナンスを怠ってしまうとインプラント周囲炎などトラブルの原因になることも。今回はインプラントに起こり得るトラブルを解説します。

インプラントでも虫歯になる?

結論から言うとインプラントは虫歯にはなりません。そもそも虫歯とは虫歯菌が糖を原料とし、酸を排出して歯の表面にあるエナメル質を溶かすことです。虫歯が進行するとエナメル質の下にある象牙質まで広がり、さらに進行すると神経まで到達し痛みを伴います。これに比べてインプラントはセラミックなどの人工歯でできています。そのため虫歯菌の酸によって溶けることはありません。

インプラントのトラブルとは

上述ではインプラントは虫歯になりませんが、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になることガあります。前者はインパクト周囲の歯ぐきに炎症が起きた状態で、後者はインプラント周囲の組織までに進行したものになります。なおインプラントを支えている骨にまで進行するとインプラントが脱落してしまうこともあります。これらの原因は以下のようなことが挙げられます。

・歯の清掃不良
・喫煙
・歯ぎしり・食いしばり

それぞれ詳しく見ていきましょう。

歯の清掃不良

インプラントはセルフメンテナンスやプロによるメンテナンスは欠かせません。歯の清掃不良で歯ぐきの腫れや出血があるとインプラント周囲粘膜炎の原因となります。

喫煙

喫煙している方はインプラント周囲炎のリスクが高くなります。また顎の骨にインプラントが結合しにくいデメリットもあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりでは顎の骨に強い負荷をかけてしまいます。そのため就寝時に装着するナイトガードを使用するなど工夫が必要です。

インプラント治療にはメンテナンスが必要

インプラント治療を受けた後は歯科医院でのメンテナンスが必要になります。これはとても大切なことで、歯磨きでは落としきれない汚れをプロによる施術でしっかり落とします。歯科医院によって間隔は異なりますが、3~6ヶ月に1回定期的に行うことが多いです。

まとめ

今回はインプラントのトラブルについて紹介しました。インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になることがあります。これらを予防するためにもセルフメンテナンスやプロのメンテナンスを怠らないことが大切です。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2022年02月04日 インプラントがぐらつく原因は?対処法も併せて解説!

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラントは天然の歯と異なり、顎の骨と結合するため動くことはありません。しかし、インプラント周囲炎や被せ物が消耗してしまった場合は揺れてしまうこともあります。そのまま放置してしまうと思わぬトラブルに発展してしまうことも。今回はインプラントがぐらぐらする原因と対処法も併せて解説します。

 

インプラントがぐらぐらする3つの原因

インプラントが揺れてしまう原因には以下のことが挙げられます。

・ネジが緩んでいる
・インプラント周囲炎に罹患している
・被せ物に不具合が起きている

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

 

ネジが緩んでいる

インプラントは主に人工歯根の代わりになる「インプラント体」と歯の代わりになる「人工歯」、それらを結合する「アバットメント」の3つの部品からなります。なおインプラントとアバットメントはネジで締めて固定するもので、歯ぎしりや食いしばりによって緩むこともあります。また人工歯とアバットメントはネジで固定するタイプと接着剤で固定するタイプがあり、ネジが緩んでしまったり接着剤が剥がれてしまうと揺れる可能性があります。

 

インプラント周囲炎に罹患している

セルフメンテナンスや歯科医院でのメンテナンスを怠ってしまうとインプラントが歯周病になることもあります。初期の段階ではインプラント周囲の歯ぐきが炎症を起こす「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれている状態で腫れや出血を伴いますが、進行するとインプラント周囲まで影響が及んでしまい「インプラント周囲炎」になります。この状態になるとインプラントを支えている骨が溶けてしまうため揺れや脱落してしまうこともあります。

 

被せ物に不具合が起きている

先述したとおり、インプラントと被せ物はネジで固定するものと接着剤で固定するものがあります。被せ物とアバットメントのネジが緩んでしまった場合、インプラントが揺れているように感じることがあります。また接着剤が剥がれてきたときも同様に感じるでしょう。

 

インプラントがぐらぐらするときの対処法

インプラントが揺れている場合、速やかに施術を受けた歯科医院に相談しましょう。これはインプラントと被せ物の間のネジが緩んでいたりアバットメントのネジが緩んでいたりする場合、施術した以外の歯科医院では締める器具がない可能性があるためです。なおインプラント周囲炎で揺れている場合はインプラントを除去しなければならないこともあります。

 

まとめ

今回はインプラントが揺れる原因とその対処法について紹介しました。原因にはネジの揺れや接着剤の劣化、インプラント周囲炎に罹患していることが考えられます。揺れを感じる場合は速やかに歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが望ましいです。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2022年01月21日 インプラント治療ができない人とは?難しいケースを解説

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラント治療とは歯を失ったときに補う治療方法の一つです。近年ではインプラント治療を行う歯科医院も増えている傾向にあり、身近な治療方法として確立しつつあります。ただインプラン治療は誰でも受けられる治療ではありません。今回はインプラント治療が難しいケースを解説します。

 

インプラント治療が難しいケース

インプラント治療が難しいケースは以下のとおりです。ただそのような場合でも対応できることもあります。

・顎の骨の量が少ない
・重度の歯周病である
・高血圧や糖尿病に罹患している
・骨粗鬆症に罹患している
・喫煙をしている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

顎の骨の量が少ない

インプラント治療は顎の骨にインプラント体を埋入する手術を必要とします。そのため顎の骨に厚みがないとインプラントを支えることができないため治療が難しいケースとなります。

重度の歯周病である

歯周病に罹患しているとインプラントを埋入してもすぐにインプラント周囲炎になり、最悪の場合脱落する可能性があります。これは歯周病とインプラント周囲炎の原因は同じ細菌であるためです。このような場合は手術前に歯周病治療を行うことが一般的です。

高血圧や糖尿病に罹患している

インプラント治療は手術を行うため、血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は出血が止まらなくなるため手術を受けられないこともあります。また糖尿病では血糖値のコントロールが不安定な場合、インプラント治療を受けることは難しいでしょう。

骨粗鬆症に罹患している

骨粗鬆症では骨密度が低いため、インプラントを埋入しても支えることができず手術を行うことができません。

喫煙している

タバコを吸っている方はインプラント治療を受ける前に禁煙を推奨しています。これはタバコに含まれるニコチンがインプラントと骨の結合の妨げになるためです。またニコチンは歯ぐきの血行を悪くするためインプラント周囲炎になりやすい傾向にあります。

 

難しいケースの対応

上記のようにインプラント治療が難しいケースでは診査・診断をしっかり行って対応できるようであれば治療を受けることができます。例えば、骨粗鬆症でも軽度であればインプラントを受けることができます。ただビスフォスフォネート系の服薬している場合は骨が壊死してしまう可能性があるためインプラント治療は受けられません。また高血圧など血液に問題がある場合は、内科医との相談によりインプラント治療を受けることも可能です。このように難しいケースでも歯科医院によって対応できることもあります。

 

まとめ

インプラント治療は全身の疾患とも関わりがあるため誰もが受けられる治療方法ではありません。インプラント治療を受ける際はよく歯科医師と相談し、しっかり検査を行いご自身にあった治療方法を選択しましょう。

 

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2022年01月07日 インプラント治療の流れについて

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラント治療では通常のむし歯治療とは異なり、受診したらすぐに治療が開始するものではありません。まずはカウンセリングでインプラントの理解を深めてから、お口の中と全身の状態を検査し、その検査結果をもとに計画を立てて治療を行うことが多いです。今回はインプラント治療の流れについて解説します。

インプラント治療の流れ

インプラント治療では以下の流れで行うことが一般的です。なお埋入する本数や位置、顎の骨の硬さにより、治療方法にもさまざまな選択肢があります。

1.カウンセリング
2.検査
3.事前処置
4.一次手術
5.抜糸
6.安静期間
7.二次手術
8.人工歯の型取り・セット
9.メンテナンス

それぞれ詳しく解説します。

 

カウンセリング

初診カウンセリングではインプラント治療について理解を深めたり、相談したりする場です。インプラント治療を希望してもインプラントについて理解しているかたは多くありません。そのためほとんどの歯科医院ではカウンセリングの時間を設け、インプラント治療について分りやすく説明していることが多いです。

検査

カウンセリングを受け、受診すると決めたらお口の中の検査を行います。主にむし歯や歯周病の検査とレントゲン・CT・口腔内写真を撮影し、歯型を取ることが多いです。また全身の健康状態を把握するために血液検査を行う歯科医院もあります。

事前処置

歯周病に罹患している場合、処置を行ってからインプラント治療に入ります。これは歯周病とインプラントには深く関わりがあり、インプラントが細菌感染しないために行います。また手術前に歯のクリーニングを行い、お口の中の細菌量を減らす処置も行います。

一次手術

インプラント治療では顎の骨にインプラント体と呼ばれているものを埋め込みます、この手術では麻酔をするため手術中は痛むこともありません。

抜糸

手術後1~2週間ほどで糸を抜く処置を行います。

安静期間

インプラントと骨が結合するまで約3~6ヶ月の安静期間をおきます。下顎では3ヶ月程度、上顎では4~6ヶ月ほどおくことが多いです。

二次手術

二回法の場合、インプラント上部を歯ぐきから出す処置を行います。この処置はインプラント手術とは異なり15~30分と短い時間で終わります。

人工歯の型取り・セット

歯ぐきが治ったらインプラントの上部に取り付ける人工歯の型を取ります。型取りをしてから約2週間後には人工歯に取り付けることができます。

メンテナンス

インプラント治療後は定期的なメンテナンスを行い、状態や噛み合わせの確認を行います。インプラント治療ではメンテナンスとご自身のケアが非常に大切です。

 

まとめ

今回はインプラント治療の流れについて解説しました。ただこれらはほんの一例であり、お口の中の状態や、失った歯の本数、顎の骨の状態により治療方法は異なります。インプラント治療を希望する方は歯科医師とよく相談しインプラント治療の理解を深めてから検討すると良いでしょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年12月24日 インプラントの治療期間はどれくらい?

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラントを希望しているけれど、治療期間がどのくらいかかるのか気になる方は多いでしょう。結論から言うとインプラントの治療期間は平均3カ月~1年かかることが多いです。ただ症例によって大きく異なるため、今回はインプラントの治療期間について解説します。

インプラントの治療期間

冒頭でも解説したとおり、インプラントの治療期間は症例により異なりますが、平均3カ月~1年かかることが多いです。これは顎の骨にインプラントを埋め込み、骨とインプラントが結合するまで待たなければならないため、通常のむし歯治療よりも長い期間必要となるためです。

治療期間が症例によって異なるのは、顎の骨の状態に個人差があるためです。顎の骨がしっかりしており、歯ぐきも健康な状態であればすぐに手術を受けることができますが、歯周病や顎の骨が薄い方は歯周病治療や顎の骨を造る手術をしなければならないため治療期間は長くなるでしょう。

インプラント治療の流れ

インプラント治療では以下の流れで行うことが一般的です。

・精密検査
・事前処置
・インプラント埋入手術
・インプラント定着期間
・人工歯の型取りとセット

それぞれ詳しく見ていきましょう。

精密検査

インプラント手術を行うと決まったら、お口の中の状態を確認します。検査ではむし歯や歯周病検査、歯の型取りやレントゲン・CT・お口の中の写真撮影などを行い、これらの資料を元に治療計画を立てます。

事前処置

歯周病に罹患している場合など事前に治療をする必要があります。また骨が薄い方は骨を造る手術を行うこともあります。その場合は骨ができるまで後約3~6カ月待つ必要があります。

インプラント埋入手術

インプラント手術には1回法と2回法があり、お口の中の状態により異なります。1回法では手術が1回で済み、約3カ月期間を置くことが多いです。2回法ではインプラントを埋入したあと歯ぐきの中に埋め、骨と結合するまで約3カ月~6カ月期間を置き、再度人工歯とインプラントを結合する装置を装着します。

人工歯の型取りとセット

骨とインプラントが結合したのを確認したら人工歯の型取りを行います。型を取ってから人工歯が入るまでは約1~3週間かかることが多いです。

まとめ

インプラントの治療期間はお口の中の状態より異なりますが、約3カ月~1年かかります。これは通常のむし歯治療と異なるため期間が長くなりますが、骨とインプラントがしっかり結合することで自分の歯のように噛めます。インプラント治療をご希望の方は歯科医師とよく相談し、適切な治療方法の選択をしましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年12月10日 金属アレルギーでもインプラント治療は受けられる?

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラント治療を希望しているけれども金属アレルギーをお持ちの方は少なくありません。また金属アレルギーを持っていなくても今後アレルギーを発症する可能性もあるため心配する方も多いです。今回はインプラント治療と金属アレルギーについて解説します。

金属アレルギーでもインプラント治療は可能

結論から言うと金属アレルギーの方でもインプラント治療を受けることができます。これは金属アレルギーと言っても全ての金属に対して発症するものではないからです。インプラントに使用する金属は「チタン」が用いられており、症状がでにくい素材として人工関節でも使用されています。そのためインプラント治療ではチタンアレルギーでない限り受けることができます。

かぶせ物には注意が必要

インプラント治療ではインプラントを顎の骨に埋め込み、そのうえにかぶせ物をして失った歯を補う治療方法です。かぶせ物の種類にはオールセラミック、ジルコニア、ハイブリッドセラミックを用いることが多いですが、金属を使用したメタルボンドがあります。この素材は金属アレルギーを持つ方に適していないためかぶせ物を選択する際は注意が必要です。

インプラント治療後に金属アレルギーになったら

インプラント治療後にアレルギー症状が出た場合、まずはパッチテストを行い、チタンアレルギーでないか確認します。チタンが原因であれば、インプラントを撤去する必要があり、その後は入れ歯か金属を使用しないブリッジで失った歯を補うことが多いです。ただこのような問題が起きてしまうと、身体に負担が大きくかかります。これらの問題を防ぐためにもアレルギーが心配であれば治療の前にパッチテストをしておくと良いでしょう。

金属アレルギーの症状

さいごにインプラントによってアレルギーが発症した場合どのような症状がでるのか解説します。代表的な症状には手足の発疹やかゆみがでることが挙げられ、扁平苔癬(へんぺいたいせん)と呼ばれる症状が出ることもあります。前者の自覚症状は皮膚の赤みやかゆみがあり、後者はお口の中に白い線状の腫れができ、痛みや違和感を覚えることがあります。

まとめ

金属アレルギーでもチタンアレルギーでない限りインプラント治療を受けることができます。アレルギーの心配がある場合、事前にパッチテストを受けてからインプラント治療を受けるもの良いでしょう。インプラント治療ではすぐに治療を開始するものではなく、事前に歯科医師と相談してからになります。少しでも不安な方は歯科医師とよく相談し適切な治療方法を選択しましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年11月19日 インプラントに種類はあるの?|使用するインプラントの種類を知っておくべき理由

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラントには世界中の各メーカーから販売され、その数はなんと100種類以上。日本でもおよそ30種類のインプラントが販売されています。

 

4種類の代表的なインプラントメーカー

日本も使用されているインプラントの種類は、なんと30種類以上。各メーカーから様々な種類のインプラントが販売されていますが、インプラントにトラブルがあった際、会社が倒産してしまって、部品が取り寄せることができないケースも。

インプラントはメーカーごとに規格が異なります。引っ越しなどでインプラントを入れた歯科医院に通えなくなった場合、代表的なインプラントメーカーを使用していれば、これまでと変わらず継続してメンテナンスを行えます。

ノーベルバイオケア社

ブローネマルク教授が世界で初めて、インプラントと骨の結合を発見してから世界で初めてインプラントを作った老舗メーカーです。40年以上の歴史と実績を誇っており、世界のトップ企業となっています。

ストローマン社

ノーベルバイオケアに次ぐ、実績を残している大手企業。数多くのインプラント関連製品を販売しており、世界で70カ国以上に提供され、世界シェア率1位を誇っています。

アストラテック社

1985年に開発されたインプラントです。インプラントの性能が優れており、骨とインプラントの結合は、通常3ヶ月〜半年ほどかかりますが、アストラテック社は1ヶ月程で結合が可能です。

ジンマー・バイオメット・デンタル社

インプラント体に特殊な加工をすることで、骨とインプラントの結合を高めており、骨の量が少ない方でもインプラントを入れることが可能です。アメリカではシェア1位を誇っています。

 

インプラントは種類によって構造が違う

各メーカーによって素材や構造が異なります。素材や構造によって使用する部品や器具が異なるので、種類も把握しておきましょう。

素材の種類

基本的なインプラントの素材は、チタンが99.8%以上の純チタンやチタン合金が使用されます。骨と結合がしやすく、強度があるのが特徴です。

また、骨と結合性は劣りますが、成形しやすく、形状記憶する特徴があるチタン・ニッケル素材を使用しているメーカーもあります。

インプラントの構造

インプラントの基本的な構造は、人工歯根である「インプラント体」、人工歯である「上部構造」、人工歯根と人工歯を連結させる「アバットメント」の3つの構造からなります。

メーカーによって、インプラント体とアバットメントが一体化している1ピースタイプと、インプラント体とアバットメントを連結させる2ピースタイプに分かれます。

 

使用するインプラントの種類を知っておこう

インプラントは入れたら一生安心できものではなく、何らかのトラブルが起きた場合はアバットメントの交換や、インプラントの除去をしなければなりません。メジャーではないメーカーを使用している場合は、他医院でトラブルの対応が困難になる可能性があります。

引っ越しやトラブルといった通院が困難になった場合に備えておくために、少なくとも使用したインプラントのメーカーと種類を知っておくようにしましょう。

まとめ

インプラントは入れたら「一生安心」ではなく、定期的なメンテナンスが必要です。また、トラブルがあった場合、部品の交換やインプラントを除去しなければならない可能性があります。

インプラントは体内に人工物を入れているので、どのようなメーカーのインプラントが入っているか、を知っておくことをおすすめします。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年11月05日 インプラント治療に必要な費用

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラントを検討されている方は、すでに歯科医院のホームページなどでインプラント治療にかかる費用を確認したのではないでしょうか?しかし、「何にかかっているか」が記載されていないことがあります。今回はインプラント治療が終わるまでにかかるお金について解説します。

インプラント1本に必要な費用

インプラント1本あたりの費用相場はおおよそ300,000~500,000円。その内訳は
・診査、診断料
・手術費用(衛生用品を含む)
・人工歯根(インプラント体)
・結合部品(アバットメント)
・人工歯
・術後の消毒
が含まれています。インプラントは保険が適用しない自由診療のため、歯科医院や使用するインプラントのメーカ、地域によって費用は異なります。

また、歯を支えている骨の量が足りない場合は、骨を造る手術が必要になることがあり、そのような場合は別途費用がかかります。

そのため、ホームページ上で1本15万円~など相場よりも安く謳っているところは、手術費用や人工歯、診察料が別途で必要になることがあり、注意が必要です。

人工歯の素材によって金額が異なる

インプラントに使用する人工歯は以下の種類があります。
・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・メタルボンドセラミック
・ジルコニア

素材によって費用が変わるので、前もって確認しておくとよいでしょう。

前歯は審美性が求められることから、人工歯にはオールセラミックが使用されることがあります。オールセラミックは透明感や色調が、天然の歯と変わらない見た目をしています。

奥歯は場合かみ合わせが強いと、ジルコニアやメタルボンドが使用されることがあります。また、歯科医院によっては欠けても修理ができやすいようにハイブリッドセラミックを使用する場合もあります。

すべての歯を失った場合

すべての歯を失っている場合は、Allーonー4と呼ばれている治療方法で失った歯を補います。
失った歯の場所にすべてのインプラントを埋入するのではなく、上顎または下顎に4~6本のインプラントを埋入して10~12本の歯を支えます。総入れ歯の方や、歯を残すことが難しい方に適した治療方法です。

4~6本のインプラントで治療が行えるため、手術の回数が少なくてすみ、手術時間の短縮が可能です。失った歯の数だけ埋入するよりも金銭面の負担が軽減できます。

まとめ

インプラントの費用は症例によって異なります。そのため、明確な費用は診査診断を受けてから分かります。

歯科医院によって支払い方法も異なり、現金のみのところもあれば、クレジットカードが使用できるところもあります。インプラントの費用についてお悩みの方は一度歯科医院で相談するといいでしょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

« 前の記事   新しい記事 »

TEL:0120-824-170

ページの先頭へ