院長ブログ

2021年10月22日 前歯をインプラントにする場合のメリットとデメリット

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

何かしらの原因で前歯を失ってしまった場合、ブリッジ、インプラント、入れ歯と3つの選択肢から治療を選びます。前歯は人目につきやすく、できれば目立たず治すためにインプラント治療を考える方も多いはず。今回は前歯をインプラントする場合のメリットと、デメリットを解説します。

前歯のインプラントは目立たない?

前歯のインプラントは、骨の量により人工歯とインプラントの接合部であるアバットメントが見えてしまう可能性があります。

また前歯1本をインプラントにした場合、両隣と歯の色が少しでも違うと違和感を感じやすく、人工歯の製作をやり直すケースが後を経ちません。

前歯にインプラントを埋入する際は、歯科医師の技術はもちろん、使用する素材や歯科技工士の技術にも左右される治療です。

前歯のインプラントは使用する素材によって見た目が異なる

前歯のインプラントは使用する素材によって「見た目」が異なります。歯科医院によって人工歯の素材や価格が異なるので、事前に確認することをおすすめします。

ジルコニアセラミック

歯の表面にセラミックを焼きつけた人工ダイヤモンドの被せ物です。つやがあり、自然な見た目の歯の色を再現できます。変色することがほとんどないのが特徴。

オールセラミック

全てセラミックでできた素材です。審美性に優れ、自分の歯と同じ色に再現ができます。透明感も出せるので、前歯のインプラントに適している素材です。

ハイブリッドセラミック

プラスチックとセラミックを混ぜた素材です。日が経つにつれて変色する可能性がありますが、ジルコニアセラミックやオールセラミックと比べて費用が抑えられます。

前歯のインプラント治療のメリットとデメリット

インプラントは審美性と機能性に優れています。そのため前歯を失った場合、インプラントが選択肢に入ることが多くなります。しかし前歯のインプラントの場合メリットとデメリットを知っておきましょう。

メリット

・両隣の健康な歯を削らずに、歯を補うことができる
・自分の歯と同じように、違和感なく食事を楽しめる
・ブリッジや入れ歯に比べて寿命が長い

ブリッジや入れ歯は歯を補うために削ったり、金具をかけたりすため、ほかの歯に負担がかかります。また寿命が長いため、長く使い続けられます。

デメリット

・インプラントと人工歯の結合部が見える可能性がある
・定期的なメンテナンスが必要
・自由診療のため費用がかかる

インプラントを埋入した後に骨が減ると、インプラントと人工歯の結合部が見えてしまう可能性があります。

インプラント治療は埋入した後、定期的なメンテナンスが必要です。インプラントは細菌感染により、インプラント周囲炎と呼ばれるインプラントの歯周病を発症する可能性があります。またお口全体をメンテナンスすることで残った歯を長持ちさせます。

まとめ

前歯のインプラントは、歯科医師や歯科技工士の腕に左右される難易度の高い治療です。

前歯のインプラントを希望される方は歯科医院選びが大切です。歯科医院のホームページや、直接歯科医師に相談して信頼できる歯科医院を選びましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2021年10月08日 奥歯をインプラントにするメリットとデメリットを解説

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

奥歯が抜けた状態が続くと、食べ物が思ったように噛めず不便を感じます。自分の歯のように噛める治療方法は、インプラントが適しています。そのためインプラント治療を考えている方も少なくありません。そこで奥歯をインプラントにするメリットとデメリットを解説します。

奥歯をインプラントにする4つのメリット

奥歯は食べ物を噛んだり、発音に影響したりと非常に大切な役割を持っています。奥歯をインプラントにすると以下の4つのメリットがあります。

自分の歯のように噛める

インプラントの最大のメリットは、自分の歯のように噛めることです。あごの骨に歯の根っこの代わりとなる、人工歯根を埋めると骨と結合して自分の歯のように噛めます。

イ段の発音がしやすくなる

奥歯がないとうまく発音ができません。奥歯がないと母音のイ段の発音が難しいとされています。

奥歯にインプラントを埋入することで、歯があった頃のようにスムーズに発音がしやすくなります。

骨の吸収を防ぐ

歯がない状態のまま過ごすと、あごの骨に刺激が伝わらないため、骨の吸収が進みます。そのため歯が抜けた部分の骨だけ、薄くなったりへこんでしまたりする変化が見られます。

インプラントは噛むことができるため、骨に刺激が与えられ骨の吸収を防ぎます。

噛み合わせが整う

奥歯を失ったまま長期間にわたって放置すると、両隣の歯が倒れてきたりと噛み合わせのバランスが崩れます。

奥歯にインプラントを埋入することで、噛み合わせのバランスが整います。

奥歯をインプラントにするデメリット

メリットが多いインプラントですが、デメリットもあります。メリットとデメリットの両者をしっかり理解しましょう。

保険が適用されないため高額

インプラントは一部の場合を除き、保険が適用されない高額な治療です。

インプラントは材料、器具、機材、人件費など一つひとつにコストがかかるため、高額な治療になります。

骨の量が足りない場合は骨を造る手術が必要

インプラントを埋入するために、十分な骨の量がないとインプラントを支えることができません。骨の量が足りない場合は、骨を造る手術が必要です。

治療期間がほかの治療と比べて長い

ブリッジや入れ歯の治療と比べて、インプラント治療は骨と結合するまでしっかり待つので、治療期間は長くなります。

また2回法と呼ばれるインプラント手術の方法では、2度手術が必要なため、さらに長期化します。

まとめ

奥歯にインプラントを埋入するメリットとデメリットを紹介しました。失った歯を補うための治療としてインプラントは確立されている治療方法です。そのためインプラント治療をする方が増えいます。

どの治療もメリットとデメリットがあります。歯科医師とよく相談をし、しっかり理解したうえでインプラント治療を受けましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年09月17日 インプラントと差し歯の違いは?

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

患者様のなかにはインプラントと差し歯の違いがわからず、差し歯のことをインプラント誤解されている方がたまに見受けられます。インプラントと差し歯は全くの別物です。今回はインプラントと差し歯の違いを解説します。

 

差し歯とは

差し歯は歯の根っこが残っており、歯の根っこや歯の一部に歯を差し込み、歯を補う治療方法です。専門用語ではクラウンと呼ばれおり、むし歯で歯を削って、必要に応じて歯の根っこの治療を行った後に、最終的な歯を被せます。

差し歯の構造

むし歯が進行して、根っこの治療が必要になった場合、最終的に被せ物をして歯を補います。差し歯の構造は、歯の根っこに「メタルコア」や「ファイバーコア」と呼ばれる土台を入れて、被せ物の基礎とします。

土台の形を整えたあとに型を取り、「銀歯」「セラミック」「メタルボンド」「硬質レジン」といわれる被せ物を被せます。

 

インプラントとは

歯を失った場合に、骨に歯の根っこの代わりとなるチタン製のインプラント体を埋めて、失った歯を補う治療方法です。

インプラントの構造

インプラントの構造は、歯の根っこの代わりになるインプラント体と、被せ物の土台となるアバットメント、歯の代わりになる人工歯と基本的に3つの構造になっています。

インプラントに使用する人工歯の素材は、「セラミック」「ハイブリッドセラミック」「ジルコニア」などが一般的に使用されます。

 

差し歯とインプラントは全くの別物

差し歯は歯が残っている状態で、インプラントは歯を失っている状態に行う治療方法ですので、両者は全く別物になります。

差し歯は選択する素材によって、保険が適用される治療方法ですが、インプラントは保険が適用されない自由診療となっています。

差し歯のことをインプラントと誤解されている方は、差し歯が土台ごと脱離した場合、「インプラントが取れた」と来院される方も見受けられます。また歯が抜けてしまったら「差し歯にすればいい」と誤解されている方も多いです。

トラブルの予防や最善の治療を受けるためには、治療の説明をしっかり行う歯科医院に通院し、説明を理解したうえで治療を選択することが大切になります。

 

まとめ

インプラントと差し歯の違いについて解説しました。差し歯は自分の歯が残っている場合に行う治療方法で、インプラントは歯を失った場合に歯を補うために行う治療方法です。

最善な治療を受けるためには十分な説明を受け、理解したうえで治療を行うことが大切になります。

 

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歯科医師 院長 渡邉信介

2021年09月03日 インプラントには痛みがある?痛みや腫れをなるべく少なくする方法とは

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

インプラント治療は失った歯の骨にインプラント体と呼ばれるチタン製のネジを埋めてから被せ物をして歯を補う方法のことです。骨にインプラント体を埋める手術が必要になるため、痛みは腫れを心配する方も少なくありません。今回はインプラント治療の痛みについてとその痛みと腫れをなるべく少なくする方法について解説します。

インプラント手術の痛みとは

インプラント治療を受けるとき一番不安になるのは「痛み」ではないでしょうか。手術と聞くと痛みが不安でインプラント治療に踏み切れない方も多いです。インプラント治療には、手術中に起こる痛みと手術後に起こる痛みがあるといわれています。それぞれ詳しく解説します。

手術時の痛み

手術は患部に麻酔をするため、術中は痛みを強く感じることはほとんどありません。しかし注射針を刺す痛みや、麻酔の薬が入るときは痛みを伴うことがあります。痛みを軽減する工夫を行っている歯科医院では、針を刺す前に表面麻酔を行ったり、麻酔の薬を体温と同じ温度に温めたりすることで痛みの緩和を図ります。

また痛みや手術に対する不安、緊張を和らげるために点滴で鎮静剤を投与する方法を行うところもあります。

術後の痛み

手術中よりも、術後の麻酔が切れたあとは痛みや腫れを伴うことがあります。インプラントを入れた本数が多い場合や、インプラント手術と骨を造る手術を行った場合は痛みや腫れが生じやすい傾向にありますが、痛みに関しては個人差が大きいです。

手術当日

術後麻酔が切れた後は痛みを伴うことがあるため、インプラント治療では痛み止めと抗生物質を処方します。痛み止めは痛いときに、抗生物質は歯科医師の指示通りに服用しましょう。

2~10日後

痛みや腫れを伴った場合は約2~10日間続くといわれています。個人差はあり、痛みがない方もいれば、10日以上痛みを伴うこともあります。また、インプラント手術と同時に骨を造る手術を行った場合は、顔にあざができることがあります。あざは10日から2週間ほどかけて下に下がっていき、時間と共に消失します。

抜糸時

インプラント手術後約7~10日ほどで歯肉が回復するため抜糸を行います。歯肉が回復すると糸によって歯肉が引っ張られるため、多少の違和感がありますが抜糸すると違和感はなくなります。

抜糸時は基本的に麻酔をせずに行います。痛みには個人差がありますが、チクチクした程度です。しかし歯肉の中に糸が入り込んでいる場合は痛みが強く出る可能性があるため、表面麻酔や麻酔をして抜糸をすることもあります。

痛みや腫れをなるべく少なくする方法とは

術中も術後もできれば痛みや腫れを少なくしたいものですね。痛みや腫れをなるべく少なくする方法を紹介します。

術中の痛みは我慢しない

インプラント手術は麻酔しているため痛みを感じることはほとんどありませんが、まれに麻酔が効きにくい方もいます。「しみる」「痛い」といった症状がある場合は我慢せずにすぐに歯科医師に伝えましょう。

術前に伝えられた注意事項を守る

術前のカウンセリング時には注意事項を説明する歯科医院が多いです。その注意事項には以下のような内容が挙げられます。
・当日の入浴は避けてシャワーのみにする
・当日は激しい運動を避ける
・お酒は控える
・処方された薬を服用する
・術部を指や舌で触らないようにする
歯科医院によって注意事項は異なりますが、当日は血行が良くなることは避けます。これらを守ることで、痛みや腫れをできるだけ少なくできる可能性があるため、注意事項は必ず守るようにしましょう。

まとめ

インプラント手術に伴う痛みと腫れ、それを少なくする方法を紹介しました。痛みに対して不安が強い方は事前に歯科医師によく相談して納得してから治療を始めましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

2021年08月20日 インプラント治療は保険が適用されないのはなぜ?理由を解説します

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラント治療は失った歯を補うための治療方法の一つです。高額な治療になりますが、条件が揃うと保険が適用されます。

インプラントは保険が適用されない自由診療

インプラント治療は一部の症例を除いて保険が適用されない自由診療です。事故や病気が原因で、顎の骨が広範囲にわたって失ってしまった場合は、保険適用が可能です。

むし歯や歯周病で失った歯は、保険適用外です。そのため負担する費用が高額になります。

保険が適用になるインプラント治療とは

保険適用が可能な場合、条件付きで「広範囲型顎骨支持型装置埋入手術」を行います。

・先天性疾患により顎の骨の1/3以上欠損している状態
・外傷で顎の骨が1/3失っており、上顎洞や鼻腔へと繋がっていると診断された場合や、下顎の切除を必要とする場合
・骨移植によって顎の骨が再建される場合
・顎の骨の形成不全

また歯科大学附属病院や規模の大きい病院など、国から認められた施設でなければ保険が適用されません。どこの病院に行っていいかわからない場合は一度、かかりつけの歯科医院で相談することをおすすめします。

インプラント治療が高額な理由

インプラント治療はコストがかかる治療です。使用する器具・機材が非常に高額で、感染症対策の環境を整えるために、使い捨てのガウンを使用するためコストがかかります。

また最終的な被せ物は精度を高めるため、保険診療では使用しない特殊な材料を用いて型を取ります。被せ物の素材も保険適用外です。セラミックやジルコニアといった白い素材を使用するため、費用が高額になります。

インプラントは1本埋入するだけでも、非常に時間とコストがかかる治療方法のため高額になります。

まとめ

保険適用が可能なケースは、先天性疾患や事故で大きく顎の骨を失ってしまった場合に限られています。むし歯や歯周病で失った場合、自由診療となります。

通常の保険治療よりも器具器材、人件費、感染症対策といった費用がかかるため、今後も保険適用される可能性は低いと考えられます。

インプラントはほとんどの症例で自費診療になります。金銭面で不安があり、インプラント治療を希望される方は、初診時に歯科医師としっかり相談しましょう。

悩みや疑問があればそのままにせず、解決してから治療を受けることが大切です。

 

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歯科医師 院長 渡邉信介

2021年08月06日 インプラント治療のデメリット|リスク要因があると受けられない

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

ブリッジや入れ歯と違い、インプラントはどの歯であっても治療が受けられる治療方法です。天然のような歯の見た目で審美性がよく、自分の歯のように噛めることからメリットが多い治療方法です。

しかしインプラント治療は、誰でも受けられる治療方法ではありません。そのような意味ではインプラントのデメリットではないでしょうか。今回はインプラント治療ができないケースについて解説します。

インプラント治療が受けられないケース

全身の状態や口の中の健康状態により、リスクがあると診断された場合、インプラント治療が受けられないケースがあります。
インプラント治療が受けられない例として、以下の7つが挙げられます。
・20歳以下の成長期の若者
・骨粗鬆症の方
・特定の薬を服用している方
・糖尿病を患っている方
・金属アレルギーの方
・顎骨に放射線治療を受けている方
・重度の歯周病に罹患している方

20歳以下の成長期の若者

顎の骨の成長途中にインプラントを入れると、天然の歯とインプラントにずれが生じる可能性があるため、20歳以下の若者はインプラント治療ができません。

万が一早期に歯を、失いインプラント治療を希望される場合、部分入れ歯やブリッジなどで、失った歯を仮に補い、顎の成長が終わるまで待つ可能性があります。

骨粗鬆症の方

インプラントと骨が結合するためには、十分な骨の量と骨の質があることが条件となります。

骨粗鬆症は骨密度の低下を伴うため、インプラントが結合しない可能性があります。

ビスフォスフォネート製剤の服用や注射をされている方は、顎骨壊死を引き起こす可能性があるため、インプラント治療は禁忌とされています。

糖尿病を患っている

糖尿病を患っている場合、インプラント手術中に低血糖ショックが起きる可能性や、術後の傷の治りが悪いなどリスクが高くなります。

また、インプラント周囲炎と呼ばれる、インプラントの歯周病の発症リスクが高くなることが問題とされています。

インプラント手術が行える目安は、血糖値が140mg/dl以下や、HbA1cが6.9%以下が望ましいとされています。

金属アレルギーの方

インプラントに使用されているチタンは、人体と馴染みやすい金属ですが、稀にアレルギーを引き起こす可能性があります。

アレルギーが起きると、インプラント周辺の歯肉が炎症を起こしたり、水疱が現れたりする可能性があります。

銀歯を入れていた方でも、インプラントを入れたらアレルギーが起こってしまった症例もあり、インプラントを入れる前はできるだけアレルギー検査を受けることをおすすめします。

顎骨に放射線治療を受けている方

癌などの治療で顎骨に放射線治療を受けている方は、口の中が炎症を起こしやすいため、インプラント治療は受けられません。

また放射線治療の影響により、唾液の量が減ってしまい虫歯や歯周病のリスクが高いと言われています。

重度の歯周病に罹患している方

歯周病に罹患している場合は、事前に歯周病治療を行ってからインプラント治療に移行しますが、改善されない場合インプラント手術を受けられない可能性があります。

インプラント治療の前には必ず歯周病検査を行います。歯周病に罹患しているのにもかかわらず、説明や治療もなしにインプラント治療を行う歯科医院は、注意が必要です。

まとめ

失った歯を補うために、インプラント治療はとてもメリットの多い治療方法です。しかし誰でも治療が受けられるのではないため、インプラント治療をお考えの方は、歯科医院でよく相談をしてから選択しましょう。

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2021年07月16日 インプラントとは?|インプラントの基礎知識

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラントの総称は、体の中に埋め込む器具のことをいいます。歯科治療では、歯を失った場合、歯を補うための方法として、顎の骨に人工歯根を埋め込む治療方法です。今回はインプラントの基礎知識を解説します。

インプラントは失った歯を補う治療方法

インプラントは失った歯を補うための治療の選択肢の一つ。インプラントの他にブリッジや入れ歯が挙げられます。インプラントは他の治療方法と異なり、隣の歯を削ったり、部分入れ歯用にバネをかける必要がなく、他の歯に負担がかかりません。

基本的に人工歯根となるインプラント体、土台となるアバットメント、歯の代わりとなる人工歯の3構造に分けられます。

インプラントに使用される素材は「チタン」が用いられています。1952年にチタンと骨が結合することが確認され、研究が重ねられて、近年ではインプラントの素材として使用されています。

インプラントはほとんどのケースで保険が適用されない

歯を失う原因の多くは、虫歯や歯周病が挙げられます。しかし、インプラントは虫歯や歯周病が原因で歯を失った場合、保険が適用されず自由診療となります。

インプラント治療が保険適用されるケースは、先天的に顎の骨がない場合や、顎の骨を1/3以上連続して失った場合に限られています。そのためほとんどの方が保険が適用されない治療になります。

インプラントの成功率は?

インプラントの成功率はメーカーや各歯科医院でデータがありますが、どのデータも10年成功率が上下顎95%以上と高い結果となっています。

インプラントが一般的な治療方法として確立された後も、「インプラントは危険なもの」としてインターネットや雑誌などで報道されていますが、どの治療も「経験も知識も少ない歯科医師」が行えば良い結果にはなりません。
インプラント治療に大切なのは、歯科医師の知識や経験、正確な診査、的確な診断、最善な治療計画を立てることです。トラブルにならないためにも、インプラント治療を受ける際は、「近いから近所の歯科医院で」ではなく、ホームページなどでしっかり情報を収集し、複数の歯科医院でカウンセリングを受けて信頼できる歯科医院を選ぶことです。

まとめ

インプラントは失った歯を補うために有効な治療方法の一つです。10年成功率も高い結果があり、治療方法として確立されています。

インプラント治療を検討されている方は、まずはカウンセリングから受けて、信頼できる歯科医院で受診することをおすすめします。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2021年07月02日 インプラント手術の種類

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラントは、顎の骨にインプラントを埋入する手術です。インプラントの手術は、1回法と2回法の2種類あり、歯科医師の判断によって選択されます。今回は手術の種類について紹介します。

インプラントの構造

手術の種類を理解するためには、インプラントの構造を知る必要があります。インプラントは
・歯の根っこ(インプラント体)
・被せ物の歯(上部構造)
・被せ物の歯の土台(アバットメント)
の3つの構造でできています。

使用するインプラントの種類は歯科医院によって異なります。

インプラント手術は大きく分けて2つの方法がある

インプラント手術は、歯の根っこの代わりとなるインプラント体を骨に埋める手術です。手術の方法は「1回法」と「2回法」があります。

どちらも顎の骨にインプラントを埋める手術は同じですが、手術方法によってアバットメントを装着するタイミングが変わります。

骨の量や、部位、お口の状態で手術方法の選択が変わります。歯科医医師の判断で手術方法が選択されるので、自分で選ぶことはできません。

1回法は一度の手術で済む

インプラントを埋入した後、上の部分が歯肉の上に露出した状態になります。手術が1回で済むため、身体的に負担が少ないのが特徴です。

インプラントとアバットメントが埋まらないように縫合し、切開した傷跡が回復するまで待ちます。インプラントと骨が結合したのを確認した後、被せ物の歯を入れるための型取りをします。

2回法は2度手術が必要

1回法と比べて治療期間が長くなりますが、感染リスクが高い、露出すると骨との結合が阻害されてしまう場合に行います。

1回目はインプラント全体を、歯肉を被せて縫合を行い、歯肉が回復するまで待ちます。

2回目の手術は埋入した箇所の歯肉を切開し、インプラント上部を出しネジ穴にアバットメントを装着して、再度縫合します。歯肉が回復したら被せ物の歯を入れるための型取りを行います。

手術が2度必要になるので、身体的負担が大きいですが、骨とインプラントがしっかり結合するまで待つので、脱落のリスクが軽減できます。

手術にかかる時間の違い

インプラントの手術にかかる時間は、部位、本数、骨の量によって変わります。本数や骨の量が少ないと、時間が長くなる傾向にあり、本数が少ないと短い時間で終わる場合がほとんどです。2回目の手術は短時間で済みます。

まとめ

インプラントの手術は1回法と2回法があります。口の中や骨の状態をしっかり診査診断を行って、手術の選択は歯科医師が判断します。「1度で済むなら1回法がいい」と選択できるものではないので、注意が必要です。

インプラント治療は、失った歯の機能を回復する最適な選択肢です。治療を希望される際は歯科医師とよく相談して、納得したうえで治療を受けましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2021年06月18日 インプラント治療には保証がある?|インプラント保証制度について解説

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

 

各メーカーのインプラントには5〜10年の保証制度がついてます。何らかの理由でインプラントにトラブルが起きた場合、条件が合致すれば保証でインプラントの再手術ができます。
 

インプラントはメーカー保証制度がある

メーカーによって保証期間は異なりますが、インプラントには5〜10年の保証を設けています。
 
保証期間中にインプラントが脱落などのトラブルがあった場合、メーカーが定めた条件に合致していれば無償で新しいインプラントと交換ができます。
 
歯科医院によって異なりますが、手術費や被せ物は保証対象外となる場合があります。
 
例えば、被せ物の保証期間が5年、インプラントの保証期間が10年とします。7年目でインプラントが脱落した場合、保証されるのはインプラントのみとなり、被せ物は保証期間外で別途費用が必要です。
 
インプラント治療を受ける前に必ず
・インプラント、被せ物のそれぞれの保証期間
・手術費など保証が適用される範囲
を確認しましょう。
 

インプラント保証が受けられる条件

インプラントの保証には必ず条件があります。以下のようなケースが保証対象の一例となります。
 

インプラントを埋入した歯科医院で保証を受ける

インプラントを埋入した歯科医院のみ、保証制度を利用して再手術が有効になります。他の歯科医院で受けたインプラントは、保証外になるので注意が必要です。
 

日常生活の範囲内で破損した場合

 
食事といった日常生活の範囲で破損した場合は、保証を受けることができます。不慮の事故や故意によって破損したインプラントは、保証外になる可能性があります。
 

定期的なメンテナンスをしている

インプラント後は必ず定期的なメンテナンスを受診するように求められます。定期的なメンテナンスはインプラントを長持ちさせるために必要不可欠で、ほとんどの歯科医院が保証の対象になる条件としています。
 
メンテナンスを怠ってしまうと、インプラントの脱落の原因となるほか、保証を受けることが困難になります。
 

禁煙指導を受け禁煙している

インプラントが脱落する原因の一つに「喫煙」が挙げられます。禁煙指導を受けたにもかかわらず、喫煙をしインプラントが破損した場合は、保証を受けられない可能性があります。
 

まとめ

ほとんどのメーカーはインプラントに5〜10年の保証制度を設けています。ほとんどの歯科医院では保証を受ける条件として、定期的なメンテナンスを受診しており、インプラントを埋入した歯科医院で有効としています。
 
また歯科医院によって保証期間や保証範囲が異なります。メーカーの保証制度があるからと安心せず、インプラント治療の前に必ず説明を受け、確認をしましょう。

 

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

2021年06月04日 インプラントに寿命はある?|インプラントの寿命を縮めてしまう原因

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

インプラント手術を希望しているけれど、寿命が気になる方も多いのでは?

インプラントはメンテナンスや、セルフケアを怠らず受けることで長く使用できます。今回はインプラントの寿命と寿命を縮めてしまう原因について解説します。

インプラントの10年生存率は約90%以上

研究ではインプラントの10年生存率は、約90%と報告されています。個人差はありますが、目安として平均寿命は10〜15年以上といわれています。なかには30〜40年以上と長持ちするケースもあります。

10年経っても約90%の方がインプラントを問題なく使用していることから、平均寿命は10年よりも長いと考えられます。

インプラントの寿命が短くなる2つの原因

インプラントの寿命が短くなる原因に「噛み合わせの問題」と「メンテナンスをしていない」が挙げられます。

噛み合わせの問題

歯ぎしりやくいしばりなどインプラントに強い力がかかると、埋入したインプラントや、アバットメントが緩くなたり、被せ物が欠けてしまったりと寿命を縮める原因となります。

対策は就寝時に装着するナイトガードで、インプラントを守ることができます。

またインプラントは骨と直接結合しているため、血液の供給がありません。そのため噛む力が強いと感染症になりやすく、炎症が起きやすいとされています。

メンテナンスをしていない

インプラントはメンテナンスが非常に大切です。インプラントと歯肉の間に汚れが蓄積したまま放置すると、インプラントの歯周病になる可能性が非常に高くなります。

インプラントの歯周病は「インプラント歯周粘膜炎」と呼ばれ、重症化すると「インプラント周囲炎」になり、骨に炎症を起こします。このような状態になると、インプラントが脱落する原因となります。

セルフケアも非常に大切ですが、メンテナンスは自分では落とせない汚れをしっかり落とします。メンテナンスは怠らないようにしましょう。

インプラントの寿命を長持ちさせるコツ

インプラントの寿命を長くするコツは、定期的なメンテナンスとセルフケアが非常に大切です。また使用していて違和感があれば、すぐに歯科医院に相談することも寿命を長くするコツです。

定期的なメンテナンス

歯科医院の定期的なメンテナンスでは、クリーニングのほかにレントゲン撮影を行いインプラントを支えている骨の量を見ます。
また噛み合わせの確認を行い、問題があれば噛み合わせの調整をします。

特殊な器具で着脱可能なインプラントの場合、アバットメントや被せ物の緩みを締め直すことができます。

メンテナンスはインプラントだけではなく、お口全体をチェックします。そのため残った歯の健康を守るためにも、必ず定期的なメンテナンスを行いましょう。

しっかりとセルフメンテナンス

セルフメンテナンスは自分で行うメンテナンスです。最終的な被せ物を入れた後、歯科医師や歯科衛生士から歯磨き指導を受けます。

インプラントは歯ブラシや歯間ブラシ、フロスといった道具を使用して汚れをしっかり落とす必要があります。

難しいからと諦めずに歯間ブラシやフロスを使いこなし、毎日汚れを落とすことで、寿命を伸ばす可能性が高くなります。

まとめ

インプラントの平均寿命は10〜15年と非常に高いです。長持ちさせるには、定期的なメンテナンスとしっかりとセルフケアを行うことで長持ちする可能性が高くなります。

また違和感や異変を感じたら、次のメンテナンスまで我慢をするのではなく、すぐにインプラント手術を受けた歯科医院に連絡をしましょう。

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック

歯科医師 院長 渡邉信介

 

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