院長ブログ

2024年12月06日
知覚過敏の原因と対処方法

静岡市葵区 わたなべ歯科クリニック
歯科医師 院長 渡邉信介です。

知覚過敏は、多くの人々が経験する歯の不快感や痛みの一種で、特に冷たいものや酸っぱいものを摂取したときに感じることが多いものです。この記事では、知覚過敏の原因、症状、そしてその対処方法について詳しく説明します。

目次

1. 知覚過敏の原因
2. 知覚過敏の症状
3. 知覚過敏の一般的な対処法
4. 歯科医による知覚過敏の治療法
5. 知覚過敏を予防するための方法
6. まとめ

知覚過敏の原因

知覚過敏は、通常、歯の象牙質が露出することにより引き起こされます。象牙質は、歯の内部にあり、神経につながる微細な管で満たされています。この象牙質が露出すると、外部の刺激が神経に直接届き、痛みを感じることになります。象牙質の露出にはいくつかの原因がありますが、主なものを以下に紹介します。

1. 歯の磨きすぎ:硬い歯ブラシを使ったり、強く磨きすぎたりすることで、歯茎が下がり、象牙質が露出することがあります。特に歯と歯茎の境目が磨耗しやすいです。

2. 歯ぎしりや食いしばり:夜間の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりによって、歯のエナメル質が徐々にすり減り、象牙質が露出することがあります。

3. 酸蝕症(さんしょくしょう):酸性の飲食物を多く摂取すると、歯のエナメル質が溶け、象牙質が露出することがあります。柑橘類や炭酸飲料、酢の入った食品が代表的な酸性食品です。

4. 歯周病:歯周組織が炎症を起こすと、歯茎が下がり、象牙質が露出することがあります。歯周病は、歯と歯茎の境目に炎症が起きることで進行し、放置すると深刻な問題を引き起こします。

5. むし歯:初期のむし歯は痛みを伴わないことが多いですが、進行すると象牙質に到達し、鋭い痛みが生じることがあります。

知覚過敏の症状

知覚過敏の症状は、いわゆる「ピリッ」とする一瞬の痛みが特徴です。この痛みは、後述するような特定の刺激がもとで引き起こされます。

1. 冷たいものや熱いものを摂取したときの痛み:アイスクリームや冷たい飲み物を口にした瞬間、または熱い飲み物を口に含んだときに痛みを感じることがあります。

2. 酸っぱいものや甘いものを食べたときの痛み:レモンや酢、キャンディーなどを食べた際に刺すような痛みを感じます。

3. 歯ブラシが当たったときの痛み:歯を磨くときに、歯ブラシが歯に当たると痛むことがあるため、歯磨きを避けたくなる場合もあります。しかし、これにより口腔内の衛生状態が悪化する可能性があるため、注意が必要です。

こうした症状は一時的なもので、特定の刺激がなくなるとすぐに治まることが多いですが、慢性的に続く場合には、他の問題の可能性も考えられるため、歯科医に相談することが重要です。

知覚過敏の一般的な対処法

知覚過敏を和らげるための一般的な対処法には、いくつかの方法があります。これらは家庭でのセルフケアとして行えるため、まずは試してみると良いでしょう。

1. 知覚過敏専用の歯磨き粉の使用:市販されている知覚過敏用の歯磨き粉には、象牙質をカバーする成分や、神経の過敏さを鈍らせる成分が配合されています。これらを使うことで、知覚過敏の症状を軽減できます。

2. 正しい歯磨き習慣の養成:硬い歯ブラシや強い力での歯磨きを避け、柔らかめの歯ブラシを使い、優しく丁寧に磨くことを心がけましょう。適切な歯磨き方法は、歯科医師や歯科衛生士に相談することができます。

3. 酸性食品の摂取量を控える:酸蝕症を予防するためには、酸性食品や飲料の摂取を控えめにすることが重要です。また、摂取後は口をすすぐことで、酸によるダメージを最小限に抑えることができます。

4. フッ素配合の製品を使用する:フッ素は歯のエナメル質を強化し、象牙質の露出を防ぐ効果があります。特にフッ化物洗口剤やフッ素配合の歯磨き粉を日常的に使うことが効果的です。

歯科医による知覚過敏の治療法

自宅でのケアが難しい場合や、症状が慢性的に続く場合は、歯科医の治療を受けることをお勧めします。歯科医での治療は、原因に応じてさまざまな方法が取られます。

1. フッ素コーティング:歯科医院では、より高濃度のフッ素を用いて歯の表面をコーティングする処置を行うことができます。これは象牙質の露出をカバーし、刺激から守る効果があります。

2. レジン充填:露出した象牙質を樹脂材料で覆うことで、刺激を和らげる治療法です。これは特に、歯茎が下がって露出した部分に有効です。

3. 歯周病治療:歯周病が原因で知覚過敏が起きている場合は、歯周病の治療が必要です。これにより歯茎が健康を取り戻し、象牙質の露出を抑えることができます。

4. ナイトガードの使用:歯ぎしりや食いしばりに対する対策として、就寝時に装着するナイトガードが効果的です。これにより歯の摩耗を防ぎ、知覚過敏の症状を緩和します。

知覚過敏を予防するための方法

将来の知覚過敏を予防するためには、日常生活においていくつかのポイントに気を付ける必要があります。

1. 定期的な歯科検診:歯科医の定期検診を受けることで、早期に異常を発見し、適切な処置をすることが可能です。これが知覚過敏予防に大きく寄与します。

2. 適切な口腔衛生習慣の維持:適切な歯ブラシの選定や正しい磨き方を身につけることは、知覚過敏の予防に役立ちます。歯科衛生士による指導も有効です。

3. バランスの取れた食生活:酸性食品だけでなく、様々な栄養素をバランス良く摂取することも重要です。特に、カルシウムやビタミンDの豊富な食品は歯の健康維持に寄与します。

まとめ

知覚過敏は多くの人が経験する不快感ですが、原因と適切な対策を知ることで、十分に対処することができます。歯磨きの方法や日常生活での予防策を実行することで、痛みの緩和や予防が可能です。持続的な症状がある場合は、ぜひ歯科医に相談して、適切な治療を受けましょう。定期的な歯科検診を怠らず、早期発見と予防を心掛けて、健康な歯を保ちましょう。

 

TEL:0120-824-170

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