院長ブログ
2013年06月21日
難しいオペ
本日は午前午後に、インプラントの1次オペがあった。
特に午前中のケースは難症例であった。下顎側切歯2本抜歯後、即時にインプラント埋入し、もともと欠損していた、下顎中切歯部位を含めて4本の仮り歯をいれるというものだった。下顎側切歯の埋入場所はくびれており、骨を保存することが、非常に困難と思われたからだ。先ず、最初の抜歯で、一切骨を傷つけてはいけない。少しでも骨が欠けるとすべてが水の泡となってしまう。その為、十分時間をかけ、ぺリオトームという特殊な器具を用いて、なんとか骨を全く破壊することなく抜歯することができた。次にドリル形成、これも一寸でもぶれると唇側のくびれた部分の骨が飛んでしまう。ノーベルガイドに沿って、舌側の皮質骨に沿わせて2mmのドリルで形成していった。そして、2.4~2.8mmのドリル形成に移った、これも慎重に行わないと唇側骨の裂開につながる。そしてインプラントフィクスチャーの埋入に移った。ここが最高に難しい。今回使用するのは3.5mmの径13mmの長さのノーベルスピーディーグルービー。本来その部位に入れることはできない太さのフィクスチャーである。これをインプラントエンジンを使用しないで、レンチを使って埋入していった。それは少しずつトルクをかけて、骨を開いていかなければならないからだ。インプラント体の埋入トルクで細い骨を少しずつ開いて埋入するテクニックが必要だ。いわゆるリッジエクステンション(歯槽堤拡張術)といわれるものの応用系である。本来は特殊なバーを用いて骨の太さを拡大していくテクニックであるが、今回はインプラントそのもので拡張していくというより高度なテクニックである。下顎前歯部は皮質骨が固く薄いため、最もリッジエクステンションが困難と考えられている。今回それに用いたのが、ノーベルスピーディーグルービーである。ノーベルの5種類あるインプラントの中で、骨にダメージを与えず掘り進めるのに最も適したインプラントフィクスチャーである。何度も入れたり戻したりを繰り返しながら、2本のインプラントを無事、一切の骨の裂開もなく予定通りの位置に埋入することができ、オペ後CTをとって確認して終了した。
午後のインプラント埋入オペは特に問題なくガイドを使用して20分程で終了した。
夕方からは、ロータリークラブ2620地区第4分区の会長幹事の引き継ぎ会が清水駅前のやすい軒で開かれた、うちのクラブからは今季幹事の片山さん、来期の会長荒巻さん、そして来期の幹事である私と3人出席した。私は今期副会長として、会長、幹事の代理出席を何度かさせていただいている為、顔見知りも何人かおり、大変和やかに交わることができ、昼間の疲れもふきとんだといったところであった。